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研究部会 : research committee

研究部会への期待 : about research committee

 兼ねてから進めて来た研究部会の設立準備が整い、会員の皆様に新たに設立する6部会への参加の呼び掛けを行う次第となりました。理事会、研究委員会の御努力でここまで漕ぎ着けることが出来ました。
 呼び掛け人の言葉が掲載されておりますので興味をお持ちの方は積極的に参加なさってください。これらの研究部会は研究会を開催し、同じテーマに関心を持つ方々との交流を通じて、ゲーム学という新しい分野に貢献することを目指していると伺っております。

「ゲームと健康科学」 (Game and Health Science)研究部会はテキサス大学に部会を置き国境を超えた新しい展開が期待されています。
また、「ゲーム産業」(Game Industry)研究部会はゲーム産業の国際的な展開を見据えた今までにない研究が可能になる斬新なものです。
「ゲームと人間科学」(Game and Human Science)研究部会は単なる論に終わらない人間計測を元とした認知科学の立場からのゲーム研究の成果の発信が期待されています。
「ゲームとアート」( Game and Art)研究部会は立場によりスタンスの異なる分野ですが多くの異質な部会員を獲得して活発な活動が行われることでしょう。
「ゲームと教育」(Game and Education)研究部会は教育寄りの立場とゲーム寄りの立場が混在する分野ですが新しいパラダイムを創って活動して下さるものと期待しております。
「ゲームとAI」( Game and AI)研究部会は「ゲームと先端情報科学」といってもよい分野ですが、日本のゲームが日本病に陥らないためには欠かせないものと思えます。
 これ以外にも2つの研究部会の設立が準備されつつあります。これらの部会の活発な研究活動がゲーム学会を特色のある学会に成長させることを期待しております。
 ゲーム学会会長  対馬勝英

研究委員会 : research committee

 いよいよ、ゲーム学会研究部会が立ち上がります。各々の研究部会に関心をお持ちの皆様はWWWを通じて世話人宛に連絡して下さい。個々の研究部会によって進め方は若干、異なるかもしれませんが活発な研究活動が始まると期待しております。また、会長の挨拶にありましたように6つの部会以外にも設立に向けての準備が進行中のものもあります。これらの研究部会の活動により本学会の研究が軌道にのり学術的な発信が本格化するものと思いますが、研究委員会としてそれを支援して行く所存でございます。
 委員長 中津良平

研究部会 : research subcommittee

 詳細は各項目を選択すると閲覧できます。                              
研究部会名(案)name/世話役
ゲームとAI
Game and AI
対馬勝英 / K.Tsushima
大阪電気通信大学 / Osaka Electro-Communication Univ.
ゲームとArt
Game and Art
田上博司 / H.Tagami
帝塚山学院大学 / Tezukayama Gakuin Univ.
渡部隆志 / T.Watabe
大阪電気通信大/ Osaka Electro-Communication Univ.
ゲームと教育
Game and Education
林 敏浩 / T.Hayashi
香川大学 / Kagawa University
ゲームと健康科学
Game and Health Science
青木則明 / N.Aoki
テキサス大学健康情報科学大学院 / Texas Univ.
ゲームと人間科学
Game and Human Science
植野雅之 / M.Ueno
大阪電気通信大学 / Osaka Electro-Communication Univ.
坪倉篤志 / A.Tsubokura
日本文理大学 / Nippon Bunri Univ.
ゲーム産業
Game Industry
中村彰憲 / A.Nakamura
早稲田大学アジア太平洋研究センター / Waseda Univ.

その他、企画中です。御提案、御意見等お待ちいたしております。

研究部会概要 : summary about research subcommittee


ゲームとAI / Game and AI
対馬勝英 / K.Tsushima
大阪電気通信大学 / Osaka Electro-Communication Univ.
 日本のゲームメーカの国際的競争力は徐々に低下していると云われています。ソフトウエア産業と同じ人海戦術によるコンテンツの作り込みに頼っているのではこの業界に明るい未来はありません。
 ゲーム学会は日本のゲームにおける国際競争力を知的な面から支援することを大きな目的としています。その観点から先端的な情報科学技術のゲームへの応用を行う「ゲームとAI」研究部会を立ち上げたいと思います。
 AIは手法でもあり、ターゲット(キャラクタ)でもあります。ユニークなゲームを作る豊かなメタファーを与えてくれるものであるとの点を大切にしたいと思います。

当面は以下のような研究テーマを考えています。

 ゲーム作成における先端情報科学技術の応用
 AI技術を用いたアニメーションの自動生成 
 マルチエージェント技術を用いた変容するゲーム
 囲碁、連珠などのゲームプログラミングの開発
 対戦型ゲームにおけるプレーヤの戦略行動評価
 知的なエージェントとの対話に基づく新しいタイプのゲームコンテンツの開発

ゲームとArt / Game and Art
田上博司 / H.Tagami
帝塚山学院大学 / Tezukayama Gakuin Univ.
渡部隆志 / T.Watabe
大阪電気通信大学 / Osaka Electro-Communication Univ.
 今日のゲーム、殊にデジタルゲームの世界では、そこに使われるコンピュータグラフィクス、音楽、あるいはRPGにおけるストーリーなど、そのゲームを構成する要素の多くにアートの分野に属するものが大きくかかわっていると考えられる。あるいはゲームのロジックそのものに、人間の感性を大きく刺激するアート性が含まれると考えられるものがあるかもしれない。
 このようなゲームの中のアートやゲームそのもののアート性が、人間の感性をいかに動かし得るか、またそれによってゲームがどのように変化するか、アート性の高さがゲームの持つアミューズメント性にどのような影響を与えるか、さらにはゲームそのものをアートとしてみた場合の評価などは研究に値する分野といえよう。
 上記を主たる研究テーマとし、新しいアートとしての視点からゲームを捉え直すことを目的として、ここにゲームとアート研究分科会を立ち上げる。

 本分科会では、これらのテーマに対して様々な角度から光を当てるため、次のようなアプローチを試みる。

1. ゲームにおけるアートの歴史的考察
2. コンピュータグラフィクス技法分析
3. 音楽技法分析
4. RPGにおけるストーリー分析とその歴史的考察
5.ゲームと他のマルチメディア・アミューズメント、特に映画、アニメなどとの比較研究
6. ゲームの進行と他の芸術鑑賞における人間の心理的変化の実験的観察
7. チャンスオペレイションなど現代芸術理論のゲームへの展開の可能性についての研究
など

 これらは、あるテーマの中で複合的に論究される場合もあろうし、あるいは単独での研究が有効な場合もあるだろう。いずれにせよこれらの研究は、その総体として、これからの社会でゲームがアートとしてわれわれ人類にどのような影響を及ぼすか、さらにまた人間にとってゲームとは何なのかを解明していくひとつのルートとなり得るものと思われる。

帝塚山学院大学 田上博司



【形式】事物の内容に対し、外から認められるものとしての形。(以下略:広辞苑第5版より)アート(芸術)における[形式]とは、文学、美術、音楽、演劇といった表現形式を意味するものであり、さらに、美術においては、絵画、彫刻、工芸などといったカテゴリーを意味する。
【様式】さま。かたち。(中略)芸術作品・建築物などの形式的特徴を総合したもの。特定の時代・流派・作家などの表現上の特性を示すもの。「バロック―」(広辞苑第5版より)「様式美」という言葉があるように、アートの形式の中で様式といわれる、時代と共鳴した表現の特徴が形成され、様式それ自身を目的とする表現まで存在することはご存知の通りである。
こうしたアートの「形式」と「様式」の中に、現代のデジタルゲームを位置付けることは可能なのだろか。それが可能だとしたら、それはどのような立脚点を獲得するのか。
造形芸術、表情芸術、音響芸術、言語芸術、時間芸術、空間芸術。そうしたアートが含有するさまざまな諸相を、デジタルゲームは包括したものといえる。アートが、美的価値を創造・表現しようとする人間の活動およびその所産であり、それを通じて人間の感性に働きかけをおこなうものである以上、アートの持つさまざまな要素を複合したデジタルゲームを、その枠組みの中で考察することは、科学的にデジタルゲームを捉えようとする際に、欠かすことのできないものといえよう。

大阪電気通信大学 渡部隆志

ゲームと教育 / Game and Education
林 敏浩 / T.Hayashi
香川大学 / Kagawa University
 ゲームと教育の関係について、従来の教育観では「水と油であり混ざることはない」と言われてきました。しかし、近年では「勉強も楽しめればよい」という新しい教育観に支えられ、教育の中にゲームが取り入れられてきました。学校教育現場では、勉強の動機付けを高めるために、授業の中で生徒達がゲームを行ったり、コンピュータ利用による教育(CAI:Computer Assisted Instruction)の中では、比較的古くからゲームを通して知識や技能を身につけることのできる直接ゲームや、動機付けをするための間接ゲームが知られています。そして多くの事例とともに種々の知見が与えられてきています。
 しかし、この分野における教育実践のアイデアや研究のテーマはまだまだたくさんありますし、それらが整理された形にはまだ至っていません。「ゲームと教育」研究部会では、ゲームと教育を包含する学際的な領域の中でこのような未踏のテーマや、その道標になる教育実践などを取り扱おうと考えています。ここではあえて具体的な研究テーマや教育実践を挙げていません。興味をもたれた方が自分の興味のあるテーマや教育実践のアイデアを手土産に自由に本部会に参加していただけるオープンな研究部会にしたいと思います。もちろん、ちょっと覗いてみようというのでも結構です。興味のある方の研究部会へのご参加をお待ちしております。

ゲームと健康科学 / Game and Health Science
青木則明 / N.Aoki
テキサス大学健康情報科学大学院 / Texas Univ.
 近年、ヘルスケアの役割の変化や健康・疾病予防への関心の高まりに伴って、ヘルスサービスの役割が「病院の中での医療」から「生活の中での健康増進」へシフトしつつある。国の医療・福祉政策としても、日本では健康日本21、米国ではHealthyPeople 2010の中で、個人個人が健やかで心豊かに生活できるためのサポートの必要性が提唱されている。この動きに呼応する形で、患者やその家族だけではなく、一般の方々を対象とした様々なヘルスサービスが登場してきており、その中でもインターネットを含めた情報技術(IT: information technology)を活用した医療・福祉・健康サービス(e-health)や健康教育(e-learning)などが注目を集めている。このようなツールを利用する事で、現状のヘルスサービスや健康教育に双方向性のコミュニケーションを持たせる事が可能である。
 健康教育では、このような試みは、教育(education)の中にゲームをはじめとしたエンターティメント(entertainment)的要素を含めたedutainment(エデュティメント)として、より効果的な教育を行うための手段として注目を集めている。エデュティメントは疑似体験的・対話的な学習を通じ、自己学習を行っている学習者の心まで届く形での知識の受容を可能とするものである。また、学習者がストーリーの展開を自由に選べるのでそこで得られた体験、知識が一方的な押し付けでなく自らが作りしたと思える点で納得のいく体験を学習者に与えることができる。
 また、医療・福祉・健康サービスの中でも、ゲームは高齢者に対する体感システム、身体障害者へのリハビリテーション、将来的なヘルスアウトカムの体験などの形で、生活の質などを含めたアウトカムの向上に大きく寄与する可能性がある。
 本研究グループでは、医療・福祉・工学・情報科学・社会学などの様々な専門家が、医療・福祉・健康に関わる様々な理論や技術をヘルスサイエンスと総称し、ゲームなどのエンターティメントの融合を図ることで、21世紀にふさわしい新たなヘルスサービスの可能性を探索する事を目的とする。さらに、その結果に基づいてR&D(研究開発)を行い、その有用性を多角的かつ包括的に評価し、一般国民の健康に還元することを目的とする。
 より良いヘルスサービスを実現するために学問領域の垣根を越えてヘルスサービスのおけるゲームの役割を考え、その効果を科学的に評価するための、様々なディスカッションを行っていくメンバーを募集いたします。奮ってご参加ください。

ゲームと人間科学 / Game and Human Science
植野雅之 / M.Ueno
大阪電気通信大学 / Osaka Electro-Communication Univ.
坪倉篤志 / A.Tsubokura
日本文理大学 / Nippon Bunri Univ.
・人間は何故,ゲームにはまるのでしょうか?
・人間はゲームをおこなうことによって何を獲得し,どのように上達していくのでしょうか?
・人間は何故,ゲームをやろうとするのでしょうか?
・ゲームをおこなう人間は,ゲームをするときに何を認知し,どのように行動するのでしょうか?
・ゲームの持つ「面白さ」の本質とは何なのでしょうか?

「ゲームと人間科学」研究部会では,このようなゲームに関する疑問に対して,ゲームをおこなう人間を科学することを目指します.ここでは分野やアプローチにこだわらず,心理学,認知科学,認知心理学,人間工学,生理学,社会心理学等々,ゲームをおこなう人間を研究する様々な学問分野の様々なアプローチによる研究を受け入れ,互いにコラボレートすることで,ゲームにおける新たな学を創造する場にしていきたいと考えております.また、ゲーム学会にふさわしい研究やトライ アルの発表、議論、提案と創造の場となることを望んでおります.ぜひ,ご参加ください.

研究の例:
・ゲームにおける面白さの計量
・ゲームと人間の知能
・ゲームをおこなう人間の認知モデルに関する研究
・ゲームの習熟過程の研究
・ネットワークゲームに見られる協調性の研究
・ゲームが人間に与える影響の研究
・新しいゲーム用インタフェースの提案

ゲーム産業 / Game Industry
中村彰憲 / A.Nakamura
早稲田大学アジア太平洋研究センター / Waseda Univ.
 ゲーム業界は、現在未曾有の危機に瀕しています。
消費者のゲーム離れを始めとした様々なマイナス要因に加え、ハリウッド資金がまさにゲーム産業を飲み込もうとしているのです。映画製作時点で、ゲーム開発費用が捻出される、というビジネスモデルは今後も確実に浸透していく事でしょう。このような状況下、多くの日本ゲームメーカーは欧米の巨大資本に取り込まれるいくしかないのでしょうか?この分会の存在目的は、ゲームを遊びという枠組みではなく、産業、経営、ビジネスモデルと言った側面から再検討することで、日本ゲーム産業の競争優位性を見出すことにあります。
 業界全体の再編が進む中、客観的な立場から、ゲーム産業を見つめ直す洞察力が必要になってきたのです。そのためには、経済学、経営学や消費者心理学といった、学術的専門性を養った研究者の貢献が不可欠です。
皆さんの参加を心からお待ち申し上げます。


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